2004 IBANEZ JEM7V Steve Vai Signature Model
Ibanezからこのモデルが出て久しい2004年の春、オールマイティに使えるギターが欲しいなと思い立ち、いつも高性能ぶりに感心しつつもなかなか買うまでには至らなかったIbanezのギターを購入することに。そして、どうせならPaul Gilbertか(PGM300とか)、Steve Vaiモデルでミーハー度をアップさせようという思考に発展し、最終的にこのゴージャス感が決め手となりこの1本に落ち着いた。やっぱり弾きやすい!Gibsonなどで無意識に感じてしまう12フレットあたりからの「もうすぐハイポジションに入ります。」的な緊張感が全くない。気づいたら20フレット周辺を普通にチョーキングしているような状態。そして音のバランスも良い。こういう完全なフローティングトレモロタイプのブリッジが付いたギターは、学生の頃持っていたKramer以来で、最初はチューニングに手間取ってしまったが、慣れるとむしろこの独特のテンションが気持ちよく感じる。また、ボディ自体のサイズも意外にコンパクトで、軽さは圧倒的。そのためか生音の雰囲気は、ソリッドギターというよりES-335のようなホローボディに近い気がする。
フロイドローズ風のトレモロ(製品名はEdge Pro)ブリッジ下にはベアクローとか言う名の付いた大胆なザグりがあり、思いっきりアームを引っ張ってもブリッジがボディに当たることはない。が、そんなことをすればもれなくチューニングが狂う。といっても普通にビブラートをかける程度なら、ヘッド側で弦をロックするのでほとんどピッチに影響はない。
なによりもこのシェイプがすばらしい。現代的で、行き過ぎてもいない。適度な斬新さと、オーソドックス感のバランスがよくとれていると思う。また、機能性を追及した細部の作りにも感心する。ハイポジションを押さえる際、摩擦を減らしてサスティーンを伸ばすために20フレット辺りから指板の表面を削るスキャロップド加工はかつてのHR/HM(ハードロック&ヘビーメタル)ブームの頃にはよく見かけたが、役に立つんだから今でもやるべきだと思う。そしてネックとボディの接合部分の処理も良くできている。この部分、手を当てた感じはmusicman EVHにも少し似ている。
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