1995 Gibson ES-335 DOT Reissue
1958年から製造されているES-335は言わずと知れたセミアコースティック・ギターの代表格ですが、これは60年代初頭の機種のリイシューモデル。カスタムショップ製のヒストリックコレクションとは違って、ある種のテキトウさが感じられます。フィンガーボード表面のガタガタした手触りやラベルに走り書きされたシリアルナンバーなどを見ると、やはり当時は景気が良くて工場も忙しかったんだろうなあ、と思う。とはいうものの、やはり本家の335は質がいい。トップとバックには厳選された非常にきれいなメイプル材が使われているし、ネックも60年代の太さを再現しているので細すぎず、握りやすい。このモデルはグローバーのペグが標準されているのでチューニングの精度が高く、安心できます。当時20万円で購入。
色はアンティーク・ナチュラルで、元々は無色透明に近い色です。このギターは店頭にあった中でも個体差でなるべく黄色に近いものを選んだということもあって、かなり焼けた雰囲気のブロンド色です。自分的にはまだ買ったばかりのつもりでしたが、よく考えると95年に購入してからもう20年近く経つわけで、ネックジョイント部分やブリッジ周辺の塗装面には若干、ウェザーチェックが入り始めています。本当に美しく、ヴィンテージのような気品が漂っています。
ピックアップは純正の'57Classicをそのまま使っています。ボディの重量が5キロ以上もあるので、カラッと乾いた音というよりは、サスティーンが長く粘り気のある音という印象。ジャズ好きの自分にとっては、アタックがありつつも甘いフロントピックアップの音質がたまらなく良い。
購入したのは渋谷のESP(ミュージック・ヴァンガード)。当時の純正ケースは茶色のレザー調で中がピンクという品のないものだったから、店長の渡辺さんにその旨申し述べると、ちょっと待っててと倉庫から、なんと50年代当時のGibson純正ケースを持ってきてくれました。この黒いケースはGibsonロゴが金文字で斜めに小さく入っていて、非常にかっこいい。聞いてみて良かった!
|