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Tokyo Concours d'Elegance 2009 Part.2
前回に引き続き、コンクール・デレガンスの見学レポート第2弾です。

エントリーされたクルマ達は年代によって4つのクラスに分けられ、それぞれのクラスでの優勝、クラスを超えて総合評価されるベストオブショーの他に、一般投票による“マスターピース・オブ・トウキョウ”、優れてオリジナリティの保たれた車に贈られる“日本クラシックカークラブ(CCCJ)賞”がありました。クラスの分類は、「Aクラス:Vintage」1910~30年、「Bクラス:Post Vintage」1931~45年、「Cクラス:Post War Classic」1945~60年、「Dクラス:Modern Classic」1961~75年となっています。詳しくは下記サイトをご覧ください。

東京コンコース・デレガンス・オフィシャル WEB
Ferrari 250GTE 2+2('60/400SA)photo by NOVAK
Ferrari 250GTE 2+2('60/400SA)photo by NOVAK
そしてDクラス「モダンクラシック」の優勝を獲ったのがこちらのFerrari 250GTE 2+2('60/400SA:元E.Ferrari所有車)。展示室内が暗く、写真では分かりづらいのですが、とても綺麗なメタリックブルーでした。このボディ色でインテリアが赤、というところにイタリア人のお洒落根性のようなものを感じずにいられませんでした。それも、いわゆる派手派手な赤でないところがいいのです。この時代にはこういうインテリアがよく見られますね。メルセデスでもこういう色を採用していたと思います。
素晴らしいのはもちろん内装だけではなく、水冷V型12気筒SOHCエンジン(2.953cc)を搭載し、最高出力は240ps/7.000rpm、当時2+2としては世界最速を誇っていました。自身がレーサーで、レーシングカー造りからスタートしているフェラーリが、1960年にはもう、こんなに完成された車を造っていたというのは驚きです。
僕にとっては、フェラーリはこの丸いライトなんですよね・・・。最近のライトの形状はちょっとつまらないな。
Aston Martin DBS('08)photo by NOVAK
こちらはエントリー車ではなく参考出品車。旧アストンのとなりにAston Martin DBSが展示されていました。
Aston Martin DB5 Saloon('65)photo by NOVAK
Aston Martin DB5 Saloon('65)photo by NOVAK
これがその旧アストン。Aston Martin DB5 Saloon('65)。この車が紹介されるときはいつも「ボンドカー」という話題が出てきますが、そんなことは関係なく、素晴らしいデザインの車だと思います。全体的に見ても完成されているし、細部の造りも実に丁寧に、考え込まれて造られているのを感じます。メッキされたバンパーが、取って付けたようではなく、ボディの曲線に沿って最初から形状が整えられているところにも、そのクオリティの高さが表われていますね。DBとは47年にアストン・マーチン社の財政危機を救ったDavid Brown氏の頭文字。現在もその名が引き継がれています。
Aston Martinと言えば、大宮駅の近くにOLD LOCO(ハタ・クラシックカー博物館)という施設があり、とても気に入っていたのですが、そこにこのDB5の他に、DB2/4なども展示されていました。2006年に閉館されてしまったのですが、何も知らなかった僕は、閉館後1週間も経たない頃、電車に乗って妻と訪れ、閉ざされた門と張り紙に愕然としました。あそこに置かれていたたくさんの名車達は、今どこにあるのでしょう?ご存知の方、いらしたらぜひ教えてください。
Lamborghini 400GT 2+2('67)photo by NOVAK
Lamborghini 400GT 2+2('67)。この年代のヨーロッパ製スポーツカーには日本であまり知られていない車が数多くありますが、これもそのひとつでしょう。ランボルギーニが日本で知られるようになったのは、おそらく74年頃のスーパーカーブームの頃ですが、その火付け役となったCoutach LP400が発表されたのが71年、その10年前には既にヨーロッパでは大排気量のプロトタイプカーによるレースが盛んに行われており、そういったレースカーを発展させた公道走行のためのスポーツカーが開発されていました。そこから更に発展し、2人乗りのスポーツカーのキャビンを広げて後部座席を増設し、スポーツカーとしてのフォルムを損ねることなく、普段乗りの性能を著しく向上させたクルマ、つまりGTが生産されていたわけです。スーパーカーブーム以前、日本にもTOYOTA 2000GTや、DATSUN FairLady、HONDA Sports 800などの非常に優れたスポーツカーが造られていましたが、何に於いても“流行”にならないと長続きしない日本、結局それらの伝統がSUVブームで途絶えてしまったのは非常に残念なことです。
Maserati Dueposti Spider('65)photo by NOVAK
Maserati Dueposti Spider('65)photo by NOVAK
どことなくロータス・エリートに似ている気がするこの車は、エントリーのキャッチコピーが「マセラティ史上、最も華麗なスパイダー」というMaserati Dueposti Spider('65)。バンパーと一体になったフロントグリル、その中央に付けられたトライデントのエンブレムがなんだかかわいらしい印象を与えていました。エンブレムの上の部分が垂れ下がっているようなモチーフも、マセラティらしさのひとつだと思います。この形状はその以前からずっと引き継がれ、現在のクアトロポルテ、グラントゥーリズモ、MC12にもこの意匠が踏襲されています。マセラティはオープンカーを意味するスパイダーを“Spyder”と表記するはずなのですが、どういうわけか登録名は“Spider”となっていました。
それにしても、このプレート、無理やりここに押し込める意味があったのでしょうか?これによってせっかくの美しさが損なわれてしまっているように思うのですが。
Michelotti Matra Laser('71 Studio Michelotti)photo by NOVAK
さて、問題です。これはなんでしょう?
1.ゾウの足の裏
2.サイの足の裏
3.イタリアの石畳
Michelotti Matra Laser('71 Studio Michelotti)photo by NOVAK
その答えは・・・、この子のシートでした。
なんか、この子、という言い方しかできないかわいい表情。まつげがあるからかな?
この車は、Michelotti Matra Laser('71)。Studio Michelotti社が1台だけ生産したコンセプトカー、ということでどうやらフランスのMatra M530をベースにボディを新たに制作されているようです。Matra M530というと、コルベット スティングレイとフォード トーラス、シトロエン DSと日産サニーを足して4で割ったような奇抜なデザインが非常にかっこいい車ですが(上記を想像してもかっこいい気がしませんが)、このデザインスタディでは、そこにあったはずの流線型を一切排除して、全く別の次元の、まさに宇宙から来たような形に仕上げられています。おそらく、僕の尊敬するジョルジェット・ジウジアーロ氏も、あのDMC デロリアンをデザインする際に、この車のことが念頭をよぎったのではないでしょうか。
Michelotti Matra Laser('71 Studio Michelotti)photo by NOVAK
Michelotti Matra Laser('71 Studio Michelotti)photo by NOVAK
まつげのかわいいヘッドライト。今は禁止されてしまったリトラクタブルライト、お願いだからもう一度復活して欲しい。デザインも素晴らしいですが、この色もいい!幼少の頃、こういう色が流行ってたよなあ・・・。
ところでこのオーバーフェンダーの形、どこかで見た気がすると思ったら、Countachのリア・フェンダーでした。似てますよね。Dクラスの展示はここまででした。
Maserati A6G-2000 Coupe('51 byVignale)photo by NOVAK
ここでまた、Cクラスに戻ります。こちらはMaserati A6G-2000 Coupe('51 byVignale)。Cクラスの優勝車です。
やっぱりこの時代のスタイリングは優雅!上品!美しい!財力があっても、GT-Rなんて絶対に買いません。もし同じ値段なら迷わずこちらを選びます。なぜなら、きちんとデザインされているから。まあ、同じ値段であるわけがないのですが。
Maserati A6G-2000 Coupe('51 byVignale)photo by NOVAK
ああ、きれいだなあ。
Maserati A6G-2000 Coupe('51 byVignale)photo by NOVAK
ドアノブはこれでいいじゃないですか。1951年で、もう全て完成していたんですよね。デザインに関してこれ以上、何もする必要ないと思うのです。技術的なこと以外は。ホイールも奥ゆかしく繊細で、見とれてしまいます。
Maserati A6G-2000 Coupe('51 byVignale)photo by NOVAK
テールランプの付き方がこの車の特徴になっているように思います。どこから見ても、全くスキのない一台でした。
VW-Rometsch Beescow Cabriolet('56)photo by NOVAK
VW-Rometsch Beescow Cabriolet('56)photo by NOVAK
こちらはその隣に展示されていたVW-Rometsch Beescow Cabriolet('56)。マセラティの流麗さに対して、都会的で自由なお洒落心のようなものを感じさせるこの車はその名の通り、フォルクス・ワーゲンをベースにボディを換装したもので、Porsche 356とか、ボルボのような裕福な庶民のクルマ、という雰囲気でした。鈴木英人さんのイラストに出てきそうなルックスですね。

さて、無理やり分割してしまったレポートもいよいよ次回で締めくくりです。
自己満足のコーナーですが、もし、見ていただけたら感想をお聞かせくださいね。
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